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2012/04/04

なるほど赤毛連盟

内田樹先生のブログでこんなのがあった。

『赤毛同盟』と愚鈍の生成について

今どきの学生の仕事の選び方、とでも言ったところか。先日ブログで書いた百点満点シンドロームと、微妙に通じるところもあり、点数的には相反するところもあり。

今どきの若者は良くも悪くも合理的である。合理的なので、自分がこれから費やす努力が得られるものに対してちょうどギリギリの量になるようにするのがベストである、という考え方。

自分の資質から、もっとも良い条件の仕事を得るということを

交換比率のいちばんいい両替機会

と表現されている。非常に言いえて妙である。

さて、なぜ赤毛連盟かは先生のブログを読んでいただくとして、気になった一文がこれである。

「つまり、ひたすら有利な交換を願うものは、その論理的必然として、やがて自分の手持ちの資源の価値がゼロであることを願うようになるのである。」

交換比率を最大化するのに、必ずしも分母がゼロがベストかは、数学的に極限の収束値にもよるし、本当に資源価値ゼロで交換できるのかも疑問だが、確かに周囲にそういう若者が見受けられるところに危機感を覚える。

そこそこできるやつがいる。こちらが与えた課題について、自分の理解したレベルまでは的確かつ効率よくこなすが、絶対にプラスαはやらない。こちらの意図より大抵は課題を過少にとらえ、足りないことを指摘すると自分がなぜそこまでしかやらなかったかを説明する。

一緒に仕事をしていて、正直やりづらい。やりづらいだけでなく、結局「ここまでやらないと」というラインに到達させるためのこちら側のコストは結構大きくなる。

もっとすごいのもいる。内田先生のブログで、

「前に平尾剛さんから聴いた話だけれど、彼の指導しているクラブでの自主練習のメニューを相談しに学生が彼に「なにやっとけばいいですか?」と訊いたそうである。
「なにやっとけばいいですか?」という言葉に平尾さんはつよい違和感を覚えた。
そういう言い方はないだろう。
「なにやっとけばいいですか?」と問うた学生は「あなたがコーチとして怒り出さないミニマムはどの程度の練習ですか?」を訊いている。」

というくだり。学生なら多少笑えるが、企業にもこういうのはいる。

課長手前で本来なら部下を抱えているのだが、そもそも部下が持てない。だって、自分のやることも決められないのに、部下が持てるわけがない。

そもそも自主性がないし、目標もない。でも嗜好は結構強くて、そのあたりが非常にアンバランス。

でも、ここで言いたいことは「使えない部下がいて大変」ってことではなく、今の社会が多かれ少なかれそういう人材が増える方向になってるってこと。

ちなみにここで登場した2名は、恐らくどっちかというと学生時代は優等生タイプだったと思う。割と真面目に宿題をやり、試験勉強もちゃんとやってたんじゃないだろうか。

とまぁ、推測で教育を批判するのは本意ではないが、どうもこういうのも根っこが教育にあるような気がしてならないわけである。

最後に断わっておくが、私はこの2名が結構好きだし、むしろ後者なんて私に似ているんじゃないかと思う。実のところ、私自身がこういうタイプだったりするわけだ。

内田先生が仰るような合理主義もやってきたし、交換比率の話なんて自慢げに語ってたんじゃなかろうか。その頃は。

変わったのは、自分に何らかの目的意識みたいなものを持つようになり、「やるっきゃない」という覚悟ができてから。じゃあ今は大丈夫なのかっていうと、当時は何も気づいてなかったわけで、アナロジーからきっと今も気づいていないことがたくさんあるわけです。おろかな若者が内田先生のブログに触発されて何やら語ってるその厚顔無恥さ。

いやー、怖い怖い。

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